けいなママのオンラインチューターコラム

「STEAM」とは？

• Science（科学）
  「S」は「Science（科学）」を意味します。科学が対象とするのは元素や動植物、宇宙など、私たちの身の周りにあるあらゆるものです。

  そのため、科学に興味を持つことは身の周りの様々な物事に興味を持つことでもあり、好奇心旺盛な子どもに学びの機会を与えるという点でも重視されています。

• Technology（技術）
  「T」は「Technology（技術）」を表します。STEAM教育において重視される技術とは、主にプログラミングのことです。

  IT社会では多種多様なものがプログラミングを用いて作られており、様々なものづくりの現場で活躍する人材を育成することができます。

• Engineering（工学）
  「E」は「Engineering（工学）」を意味します。産業において不可欠な工学では、広義の生産力や空間的把握能力が求められます。

  STEAM教育では、これらの力を伸ばすことが可能です。とりわけ産業用ロボットを一から作り上げる仕事などでは、この能力が不可欠です。

• Art（芸術）
  STEAMにおける「A」は「Art（芸術）」を示し、広義の想像力・発想力です。その範囲は絵画や彫刻などの美術にとどまらず、ダンスや音楽、演劇などの幅広い「創造・表現」も含まれます。

  また、「Liberal Arts（教養）」も含まれることから、他の「S・T・E・M」に比べて範囲は非常に広いです。

• Mathematics（数学）
  「M」は「Mathematics（数学）」を意味します。数学では論理的思考を養うこともでき、その能力は「S・T・E・A」それぞれの能力をさらに伸ばすうえでも不可欠です。

そのため、STEAM教育では5つの要素をバランスよく伸ばしていくことが重要となります。

STEAM教育は文部科学省も推進

今日の教育におけるSTEAMの重要性については文部科学省も認識しており、実際にSTEAMを重視した教育方針を発表しています。文部科学書はSTEAM教育を推進していく中で、以下の3つを重視することを明らかにしています。

• 文章や情報を正確に読み解き、対話する力
  文部科学省が推進するSTEAM教育では、文章や図などを正確に読み取り、それらを理解・分析すること、それによって得た情報を人に伝えたり、その情報をもとに議論したりする能力が今日の社会で不可欠とされています。

• 科学的に思考・吟味し活用する力
  文部科学省はSTEAM教育において、科学的な思考、およびそれを用いて吟味する力も養う必要があるとしています。科学が対象とする、身の周りのあらゆる物事に興味を持つことが重要と言い換えることもできます。

• 価値を見つけ生み出す感性と力、好奇心・探求力
  新たな価値を見つけ出す感性と力を養うことも、文部科学省では重視しています。また、この点に関しては好奇心・探求力の重要性についても説かれています。

「A」の定義

STEAMの「A」には「Liberal Arts（教養）」も含まれますが、その定義は他の要素に比べて曖昧です。

そもそも教養を身につけることにつながる学問には、文学や歴史、哲学などの多種多様なものがあります。それらのどこまでをSTEAMの「A」に含めるのかは、文部科学省の方針でも明確にはなっていません。

これらのことから、STEAM教育は特定の学問を軽視する概念ではなく、あくまでも時代の変化に則った特定の学問の突出した重要性を強調するための概念と認識することが大切です。